プロフィール

私と客船との係わりは、台湾の高雄港から始まりました。
船には必ず訪れる宿命の時があります。

1960年代、毎年のように神戸、横浜にその純白の美しい姿を見せてくれていたP&O の客船隊がありましたが、 1970年代に入ると、それらの船体が船齢と経済性から次々と解体処理されることになります。 台湾の高雄港は当時、世界の船舶解体処理センターでした。
私は報道でP&Oのアイベリア号が解体されるのを知り、現地を訪ねてみました。

沖の方にはそれ以外にも、写真で親しんだ有名客船が不自然な傾きを見せて、 次の順番を待つ姿がありました。
再訪した私は、それから1ヶ月あまりアイベリア号内に居住し、 解体作業の中から船具や装備品を次々と購入していき、再活用の途を考えたのです。 ブリッジの壁面に、最後のクルーが書いたのでしょう、チョークで大きく " Goodbye Old Lady " の文字が印象的でした。 以来、船とその周辺の品物を取り扱う仕事を続けています。



取り扱った客船 には 以下のようなものがあります。
       Iberia        Nippon Maru
       Orcades        Oriental President
       Himalaya        Edinburgh Castle
       Chusan        Vera Cruz
       Orsova        Ocean Monarch
       Arcadia        Homeric
       Caribia        Nieuw Amsterdam
       Reina Del Mar                  etc.


中でも印象に残るのは、カリビア と ニュー・アムステルダムです。
前者は、元イタリア・ラインのヴァルカニアで1926年、正に黄金時代に建造された帆船型船尾を持つ古典装飾客船で、既に本国で殆どの装備品は外されていましたが、 サロン天井の人物木彫と造り付けの装飾家具は見事なものでした、が構造上どうしても取り外せず残念な思いをしました。

これとは反対に大部分の装備品を残したまま現場に入港してきたのがホランド・アメ リカラインのフラッグ・シップ、ニュー・アムステルダムです。 オランダ客船の内装には定評がありますが、あのノルマンディーやクィーン・メ リーと同時代に誕生した、この3万6千トンの客船は正に豪華そのもので、 ホールの天井を飾る有名作家の銘入木彫、総革張りソファー、家具、階段要所のブロンズ像、シャンデリア、壁面の油絵及びパネル、ダイニングの陶器、銀器等、そして圧巻は一等食堂の上部をぐるりと取り囲むように張り巡らされた大理石の大モザイク画です。 幸いなことに殆ど入手出来ました。 オランダ本国からはTVクルーがやって来て、この国家的客船の解体過程を長期に渡って撮影を行いました。

このような台湾における解体客船ブームは80年代で終わり、その後現場は中国、インドへと移って行きましたが既に古き良き時代を物語る客船は殆どその姿を消してしまいました。
私は子供の頃、スクラップ船として大阪に来航して来たアルカンタラ、イル・ド・フランス、ドミニオン・モナークの姿を見た、かすかな記憶があります。
それが原点だったのか、数々の客船の最後に立ち会えたこと、又その物品の一部を扱った事等を 貴重な体験として、今後共、海と船を追及してゆく所存です。

時折、依頼があればTVの”開運!なんでも鑑定団 ”の番組で、海洋モノの鑑定を行ったりもして おりますが、この分野の関心度が更に高まることを願い、このたび客船をテーマにした当、 ヴァーチャル・ミュージアムを開設致しました。
クルーズは盛んな今日、過ぎ去った時代の客船愛好家は少数派ではありますが、そのすそ野の拡がりを期待するものであります。


オーシャン・ライナー・ミュージアム : ニューヨーク 会員
オーシャン・ライナー・ソサエティ : ロンドン 会員
クドーズ マリン  代表  工藤 益男

大阪市浪速区桜川2-2-25-702
TEL 06-6567-1777
FAX 06-6567-0211



KUDOS   MARINE
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